



ピアノを演奏するためには、腕全体の動きが必要です。その腕全体の”唯一の土台”の関節が肩甲上腕関節です。そして、肩甲上腕関節は肩甲骨の一部が担います。
つまり、肩甲骨が自在に動ける事は、腕が自在に動けることの必要条件となります。
さて、肩甲骨の本来の仕事を考えてみます。
ダーウィンの進化論を支持するとするならば、我々は四足獣から進化し、二足歩行になったと考えられます。四足獣の前脚の役割は、時には獲物を捕らえるといった事にも使われるかもしれませんが、基本的には「体重を支える役割」を持ちます。お時間がございましたら博物館に行かれて、骨格標本を観察なさってください。多くの四足獣において、肩甲骨は地面に対して垂直の方向にあります。
このことはつまり、地面に対して垂直に位置される肩甲骨は、前脚で体重を支えるのに都合の良い角度にあるといえます。
しかしながら人間は、二足歩行を選び、前脚=腕で体重を支えることがなくなりました、このため肩甲骨は、地面に対して垂直である必要は無くなりました。
そして日常的に腕で様々な動きを行う中で、肩甲骨が背中の方向へ動くことにより、四足獣に例えるならば、地面と並行の方向に位置するようになりました。水平のほうが、様々な動きをしやすいためだと推測できます。
しかしながら我々の筋肉の形や走行は、地面と垂直の方向に肩甲骨があった四足獣の名残を色濃く残しています。
上記の推測から、「正しい位置でつながるための筋肉の役割は果たしていない」とのご質問の文言からは、具体的に何の筋肉の役割かは読み取れないため、適切な答えを申し上げることは難しいのですが、人間は鎖骨があるからこそ、肋骨の3次元の形状に添わせて肩甲骨を動かすことができるかと存じます。