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2026年3月東京開催声楽マスタ―クラスArte della Lirica Italiana

2026年4月8日スタート イタリア語ディクション講座

「話すように歌いなさい」「オペラは言葉から」——多くのイタリア人歌手、指導者、指揮者達が繰り返し伝えてきたこの言葉は、オペラ解釈、演奏の核心にあります。

しかし、私たち日本人は日常的にイタリア語を話さないため、母音や子音の処理がどうしても日本語的になり、結果として音楽の自然な流れを損なってしまいます。

目次

【お知らせ】日程変更のご案内 (2025年10月31日更新)

2026年1月14日(水)開始を予定しておりましたが、講師および講座運営全般を受けもつ川畑のスケジュール調整の都合により、開講日を2026年4月8日(水)に変更させていただくこととなりました。ご予定くださっていた皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
新しい日程は本ページ内の「講座回数/日程/募集人数」欄にてご確認ください。

なぜ発音を学ぶことが大切なのか?

近年の声楽科学の研究は、この課題を裏付けています。

  • 声道共鳴と母音
    声は「声帯=音源」と「声道=フィルター」の協働で生まれるという source–filter モデル に基づき、母音や子音のわずかな違いが共鳴周波数(フォルマント)の配置に直結することが明らかになっています。
  • projection(声の通り)
    共鳴帯域が 2.8–3.0kHz 付近で強調されると「singer’s formant」と呼ばれる帯域が形成され、オーケストラを超えて声がホール全体に届きやすくなることが示されています
  • 母音調整と音響効果
    母音の開閉を適切に整える訓練は、声の通りや倍音構造に直接影響し、声の通りが改善するという実験結果が報告されています
  • 声帯と声道の相互作用
    声道形状の変化が声帯振動効率に影響を与えることも確認されており、正しいディクションが声帯の振動そのものを助ける可能性まで示唆されています。

これらの科学的証拠は、正確な母音と子音の処理が、単なる発音矯正にとどまらず、声そのものの響き・安定性・投射力を根本から変える ことを意味します。本講座では、オペラのアリアを素材に、イタリア語の母音(開音・閉音)や子音の明確さを徹底的に分析・訓練し、「話すように歌う」ことを実現していきます。

レッスン使用言語

イタリア語

講座回数/日程/募集人数

  • 1回90分レッスン
  • 計16回(合計24時間)
  • 各グループ7名の少人数制

グループAー日本語通訳なし
2026年4月8日~7月22日
毎週水曜、20時~21時30分
4月: 8日、15日、22日、29日
5月: 6日、13日、20日、27日
6月: 3日、10日、17日、24日
7月: 1日、8日、15日、22日

2026年1月14日~4月29日
1月14日、21日、28日
2月4日、11日、18日、25日
3月4日、11日、18日、25日
4月1日、8日、15日、22日、29日

グループB-日本語通訳あり
2026年7月3日~10月16日
毎週金曜、20時~21時30分
7月: 3日、10日、17日、24日、31日
8月: 7日、14日、21日、28日
9月: 4日、11日、18日、25日
10月: 2日、9日、16日

2026年5月6日~8月19日
5月6日、13日、20日、27日
6月3日、10日、17日、24日
7月1日、8日、15日、22日、29日
8月5日、12日、19日

グループAはイタリア語がわかる方のみ受講可能です。場合によっては、弊社または講師がイタリア語力についてお問い合わせをする場合があります。

日本語通訳付きコースへのお申込み状況により、追加グループを開講する場合がございます。その場合、レッスンは火曜日または金曜日の実施を予定しております。

講座内容

朗読の教材はイタリア語のアリア、または歌曲を使用します。
場合によっては曲目の変更がありますので、ご了承ください。

毎週、発音練習の課題が出されます。各自の復習や練習の取り組みが、学習成果に大きく影響します

モジュール1 – 母音とアクセント(第1–6回)

第1回 – 母音の流れと純粋なイタリア語の音

  • 母音の流れ A–E–I–O–U(連続発声+音節ごと)
  • イタリア語の母音と日本語の母音の違い
  • 強勢アクセントと音声アクセントの練習、小さな文や単語で低音・高音の音に慣れる練習
  • 応用:「O sole mio」(シンプルな旋律)

第2回 – 「E」の開音と閉音(I)

  • è/é の基本規則【教材: ortoepìa】
  • 最小対:pèsca/pésca, prèdica/prédica
  • 音読練習
  • 応用:Mozart《Don Giovanni》のレチタティーヴォ

第3回 – 「E」の開音と閉音(II)

  • 教材の文章練習【é/è を含む文】
  • 集団練習と個別修正
  • 応用:Verdi 《La traviata》”È strano! … Sempre libera”

第4回 – 「O」の開音と閉音(I)

  • ò/ó の基本規則
  • 最小対:còrso/córso, bòtte/bótte
  • 教材による音読練習
  • 応用:Verdi《Nabucco》 “Va, pensiero”

第5回 – 「O」の開音と閉音(II)

  • 教材の文章練習(ò/ó)
  • 個別修正+リズムに合わせた音読
  • 応用:Verdi《La Traviata》”Addio, del passato”

第6回 – EとOをあわせて – 強勢アクセントと音声アクセント

  • é/è と ó/ò を含む混合文の練習【教材: 複合練習】
  • 集団朗読+個別修正
  • 応用:Verdi《La Traviata》のヴィオレッタの“Teneste la promessa…“ またはVerdi《Otello》”Ave Maria”

モジュール2 – 子音と重子音(第7–10回)

第7回 – 日本語話者が苦手な子音(I)

  • C/G の硬音と軟音, sc[ʃ], gn[ɲ], gl[ʎ]【教材: 発音練習】
  • 専用の早口言葉
  • 応用:検討中

第8回 – 日本語話者が苦手な子音(II)

  • S の清音/濁音, Z の清音/濁音【教材: ortoepìa】
  • 最小対:sala/zala, azzurra/assurda
  • 応用:Rossini《Il barbiere di Siviglia》”Una voce poco fa”

第9回 – Rと重子音

  • Rの技法【教材: “br– pr– dr– tr–” の練習+母音の流れ】
  • 単子音と重子音の区別(fato/fatto, caro/carro)
  • 応用:Puccini《La Bohème》”Mi chiamano Mimì”

第10回 – 複雑な発音と流暢さ

  • 発音の複合練習【教材: 早口言葉】
  • リズムに合わせた文章朗読
  • 応用:検討中

モジュール3 – イントネーションと表現力(第11–13回)

第11回 – イタリア語の文のイントネーション

  • 平叙文・疑問文・感嘆文の違い【教材: “Le intonazioni”】
  • メロディ変化の練習
  • 応用:Da Ponte‐Mozart《recitativo secco》

第12回 – 文のリズムとテンポ

  • ポーズや加速を用いた朗読【教材: pause のある朗読】
  • 集団練習
  • 応用:検討中

第13回 – 声のトーン・音量・音色

  • 強弱・音色の違い【教材: 声の表現】
  • シラブルによるクレッシェンド/デクレッシェンドの練習
  • 応用:検討中

モジュール4 – 実践(第14–16回)

第14回 – 発音練習としての朗読

  • 詩的テキストの朗読【教材: 詩文朗読】
  • 応用:検討中

第15回 – 解釈を込めた朗読

  • 間の取り方・音量・声色を変えた朗読【教材: interpretazione】
  • 応用:検討中

第16回 – 最終確認

  • 各受講者がアリアを選んで発表
  • 音節読み → リズムに合わせた読み → 歌唱
  • アクセント・イントネーション・発音の修正
  • 主要な規則の総まとめ

講師紹介 Roberta Maraini

ロベルタ・マライーニ
俳優・声優・イタリア語ディクションコーチ

イタリア・トリノを拠点に、舞台俳優、声優、演技指導者として長年にわたり活動。
劇団や国際的なフェスティバルに多数出演し、演技・発声・ディクション・声の表現に造詣が深い

主な経歴

  • タングラム劇場(トリノ)にて演技を学ぶ(1996–1998)
  • ODS(トリノ)にて声優・アフレコ技術を修める(1999–2000)
  • 著名な演出家(M. マルゴッタ、C. ブリエ、D. レンモ、M. アロット)に師事(2003–2008)
  • Itaca Teatro(演出 M. アロット)にて俳優として出演(2008–2020)
  • 教育的・社会的な演劇プロジェクトに多数参加(例:Memobus、DNAプロジェクト)
  • 国際演劇祭にて受賞歴あり(Fringe Festival、Crash Test Festival、Fit Festival ほか)

指導歴

  • 声優・俳優養成学校 ODS(トリノ)にて演技・ディクション・声優技術を指導(2016–現在)
  • コミュニティや教育現場における演劇ワークショップを長期的に主宰
  • 2024年より、ODSにて教育部門の統括を務める

専門分野

  • イタリア語ディクション
  • 演技指導・舞台表現
  • 声の表現・声優技術
  • 青少年や教育現場向けの演劇活動

受講希望者が多く、複数グループを作る必要がある場合は、マライーニ先生が教育部門の統括をされている声優・俳優養成学校 ODSの講師が指導を行います。

受講費

日本語通訳なしー税込96,000円
日本語通訳ありー税込106,000円(通訳料10,000円込、レッスン1回当り通訳料625円)
レッスン1時間あたり税込4,000円

費用に含むもの
O.D.S(Operatori Doppiaggio e Spettacolo)校のイタリア語発音教則本
講座資料ー自主勉強用動画
期限なしの講座アーカイブ動画

お支払い方法

一括または分割払い

キャンセルポリシーとお願い

  • 受講生数、回数と期間が限定された講座ですので、途中からの参加、または興味のある回だけの参加はできません。
  • お申込後のキャンセル、特に講座開始後、途中月でのキャンセルはお受けいたしかねます。その代わりアーカイブ視聴可能な全講座動画をお渡しいたしますので、参加費は全額お支払い頂きます。
  • お振り込み後のご返金は対応致しかねます。
  • 開講最低人数に達しない場合、この講座は開講いたしません。その場合、お振込み金額は全額お返しいたします。
  • これまでに一般社団法人Le Muse企画へお申込み後に連絡なしの不参加、またはお支払いで問題があった方等のご参加はご遠慮願います。

お申込フォーム

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お申込みは先着順で受け付けます。受講枠は、受講料のお振込完了をもって確定いたします。

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