



ピアニストのフィンガリングにおいてArm Lineを活用する際に、まずスタートラインとなりますのが「指を動かすための筋肉のグループ分け」の理解です。
さて、ご質問の「指をたくさん動かして弾くとき」には、1.〜6.(7.以降)全ての筋肉を使いますので、「指を曲げる筋肉(だけ)を使いすぎてしまう」ということは起こりにくいと考えられます。しかしながら、
① 目的の表現(=音)を奏でるために必要な、
② 鍵盤を落とし込む「速度」と「力(=トルク)」 を達成するのに要求される
③ 1.-6.(7.以降)の指の力
以上に筋肉が力を発揮してしまうと、それは無駄な力となり、ご質問にある「筋肉を使いすぎてしまう」という結果となります。すなわちこれは徒労ですので、「負荷がかかる」という事になります。
例えばお客様がいらっしゃる和室に【お茶をお出しする】時、障子を力任せに「バーン」とは開けませんよね(笑)。それと同じで、【音を奏でる】という目的を達成するためには、「適切な力で」鍵盤を弾くことが必要です。
ただし、この「適切な力で」と申しますのは、よくある「脱力やリラックス、指を長くしなやかに使って」といった曖昧なものではありません。しかしながら、「(演奏に)適切な力」を解説申し上げようと致しますと、生理学(せいりがく)といった分野が必要となってしまい、とても難しくなってしまいますので、今回は割愛いたします。
以上のことを前提とした時、トリルや連打の時に腕が疲れたり痛くなったりしてしまうのは、それらの(音楽)表現ができる動きを生み出す「必要最小限の力以上の力」が、1.-6.のどこかで発揮されてしまっていると言えます。
さて、ここで気になってまいりますのが、「では1.-6.の筋肉とは何か」だと拝察申し上げますが、こちらの内容につきましては第9回で1時間しっかりと学びましょう。