



口を縦に開けることは、すなわち下顎骨(かがくこつ)を引き下ろした結果です。
ところが、下顎骨を引き下ろす”専用”の筋肉は人体にはありません。
それでは、なぜ我々が口を開けることができるかと考えますと、
・舌骨上筋群(ぜっこつじょうきんぐん)で引き下ろしている
・広頸筋(こうけいきん)で引き下ろしている
・噛む筋肉の力を抜いている
これらの条件をうまく揃えている結果といえます。
さて、この中で最も効率がよいのが、舌骨上筋群による引き下ろしですので、こちらを細かくみてまいりましょう。
① 舌骨上筋群は、下アゴの骨と舌骨をつないでいる筋肉です。
② その舌骨は、喉頭を吊り下げています。
③ その喉頭の中に声帯が張っています。
④ 高い声を出す時には、声帯の強い張りが必要です。
⑤ ④のためには、足場となる③喉頭の骨が安定していることがとても大切です。
この考え方に沿いますと、
⑥ ⑤喉頭の安定には①舌骨上筋群の力が必要です。
⑦ ①舌骨上筋群は下アゴを引き下げる作用も持ちます。
ということは、
⑧ 口を縦に開けるために⑦舌骨上筋群を使い、
⑨ その舌骨上筋群が喉頭の安定を促し、
⑩ 高音発声のための声帯筋の足場を準備した
と考えることができます。