母音によって響きが下がることがあるのですが、体の中ではどのようなことが起きているのでしょうか。

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【質問】
母音によって響きが下がることがあるのですが、体の中ではどのようなことが起きて、響きが下がってしまうのでしょうか。
響きが下がるとは何なのか、そしてそれに対する対処法をお聞きしたいと思います。
私はa母音が一番下がりやすく、u母音も難しく感じています。指導をしていても、a母音が下がってしまう人が多いように感じます。
どうぞよろしくお願いいたします。

【回答】
「響きが下がる」という表現は、様々に解釈することができる反面、間違った解釈も含んでしまう可能性をはらんでいます。つきましては、今回の回答は感音的よび審美的な側面からの考察では無いことを予めお断り申し上げます。
母音を出し分けるためには、口腔から咽頭にかけて、様々な構造物の位置関係が複雑にからみます。そのなかにおきまして、舌に注目してみましょう。
IPA(国際音声記号)をみてみますと、「a」母音の発声時における舌の位置は、口腔内においては、前後で申しますところの中央から後ろ寄りに位置(①)します。
舌が後ろ寄りにあるということは、舌という大きな塊が、音波(=声)の通路である咽頭に向かって接近する(②)ことになります。
人間が音の豊かさや華やかさを感じる程度は、基音(=発声している音高)と同時に発振される倍音(自然に発生する音波)が、どれだけ多く含まれるかによります。
この倍音の生成には、様々な要因が複雑に絡み合うことにはなりますが、その1つの要因として、空間の広さがあります。空間が広ければ、倍音は複雑に生まれやすく、かつ強調されやすくなります。
さて、「a」母音や「u」母音は、舌を咽頭方向に押し込める(①)ことによって音をつくります(=構音)。このため、咽頭の空間が物理的に狭くなり(②)、倍音があまり生成されにくい空間となります。
つまり、このままの状態(②)では、華やかさに欠けると認識される声となってしまうのです。
そこで、華やかさを欠けさせないために、「a」の母音を発音するための舌と咽頭の相対的な位置関係(①)はそのままに、空間の広さ(②)をより大きく確保するために喉頭を下げる、そのことにより倍音を確保しようという工夫が考えられます。
これ(②)が、「ノドを開けて響かせて」につながってまいります。

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