
「イタリア、コンドミニアーレ劇場」の仕組みが世界遺産に登録
私たちが日々学んでいるイタリア・オペラ。その舞台裏には、地域の人々の長い歴史も息づいているんです。そのことを実感させてくれるニュースが飛び込んできました。7月19日から29日にかけて韓国・釜山で開かれたユネスコ世界遺産委員会の会合で、イタリア中部の「コンドミニアーレ劇場」の仕組みが世界遺産に登録されたのです!!
このニュースで特に興味深いのが、その「仕組み」の部分です。ヨーロッパの劇場は、宮廷や国の主導によって建てられるのが一般的でした。しかしコンドミニアーレ劇場はそれとは対照的に、地域に暮らす人々自身が資金を出し合い、所有権を持ち寄り、運営にも直接携わるという形で誕生しました。
18〜19世紀のイタリア中部(マルケ州、エミリア=ロマーニャ州、ウンブリア州など)において、貴族や商人、専門職の方々、そして力をつけてきた市民階級が少しずつ出資し、建物の持分を購入することで共同所有者となっていったそうです。「condominiale」という名称も、現在のマンション組合のような形で運営されていたことに由来しております。各出資者はそれぞれ一つか二つの桟敷席を所有し、運営に関する取り決めは共同で話し合いながら決められていたとのことです。
貴族だけのものであった劇場は、こうして市民生活の中心へと変わっていきました。多くの市民が資金と労力を出し合って劇場を築き、その管理を分かち合う、そんな歴史の転換点が、ここにあります。この「共同所有の劇場」という発想と実践は、建築史・舞台芸術史においてもイタリアならではのものとされているそうです。
今回登録されたのは、全部で10館。
サンタガータ・フェルトレのアンジェロ・マリアーニ劇場、イエージのペルゴレージ劇場、アスコリ・ピチェーノのヴェンティディオ・バッソ劇場、オッフィーダのセルペンテ・アウレオ劇場、フェルモのアクィラ劇場、マチェラータのラウロ・ロッシ劇場、サン・セヴェリーノ・マルケのフェロニア劇場、ファブリアーノのジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ劇場、ウルバニアのブラマンテ劇場、そしてスポレートのヌオーヴォ・ジャン・カルロ・メノッティ劇場。
いずれも大都市の大劇場とは異なり、地方の小さな町に根づきながら、オペラや音楽、演劇を人々の暮らしの中心に据えてきた場所ばかりです。こうした背景を知ると、私たちが学んでいるイタリア・オペラの奥行きを改めて感じます。
Evviva l’opera lirica!
いつかLe Museで、イタリア劇場巡りツアーをしたいなぁ……










