硬口蓋と舌は接していた方が軟口蓋は開く?
- 硬口蓋は子音の時に使うと教えていただきました。
「N」の時には硬口蓋にべったりついた舌が空気の出口を完全封鎖したら軟口蓋が開くとおっしゃいました。
硬口蓋と舌は接していた方が軟口蓋は開くということでしょうか。
同じように母音も硬口蓋と舌が近い方が軟口蓋が開き、鼻腔共鳴が充実するのでしょうか? -
舌の動きと軟口蓋の動きは別のものとお考えください。
軟口蓋の動きは、言語の獲得の過程において、しかるべきタイミングで、筋肉(=口蓋帆張筋および口蓋帆挙筋、口蓋咽頭筋、上咽頭収縮筋)を収縮させる(=鼻腔への通路が閉じる)ことと、筋肉(同上)を弛緩させる(=鼻腔への通路が開く)ことを学んでまいります。
歌唱時は、表現したい声色や、言語の違いによって、その学んできたタイミングとは別の意図を持って動かすことが必要となってきます。
このことからも、舌の動き(=子音や母音)と軟口蓋の動き(=鼻腔の開放と閉鎖)は別のものと考えられます。
なお、母音において、硬口蓋と舌が近い方が軟口蓋が開くということはありません。国際音声字母を参照すると、日本語ではiが最も硬口蓋に近い母音ですが、shiおよびni以外は軟口蓋は閉鎖して発音をします。