横隔膜の脚はどこにつながっているの?
- 今日の講義で横隔膜の脚がとても大切と言うことでしたが、横隔膜の脚の下の部分は腰椎に接していると思いますが、上の先は横隔膜のどこから発しているのでしょうか?見せていただいた図では背中に近いところのように見えましたが、それでは横隔膜を支えられないような気がします。
-
横隔膜の脚は腱中心(けんちゅうしん)につながっています。
横隔膜は、その全体が筋肉でできており、第7-12の肋骨の内側全体に前後左右上下に広がっています。
その前後左右上下の全方位に放射状に広がる筋肉の中心には、腱(けん)という硬い線維が多い部分があります。この部分を腱中心といいます。
呼吸をするために働いた横隔膜の筋肉は、前後左右上下に全体的にハリを生み出します。そのハリの力が集まる部分でもあるのが腱中心です。
そして、横隔膜の脚は、腰から、主にその腱中心に向かって伸びています。
つまり、前後左右上下の方向にハリが生まれた横隔膜全体を、あたかも腰の方に引き下ろすかのような形で引き下ろしてきます。これが横隔膜の3次元の動きなのです。
ご質問で頂きました横隔膜の支えですが、息を吸う時には、腱中心と肋骨の間でハリを生み出すので、支えは不要となります。また、息を吐いた時、つまり力が抜けた時には腹腔(ふっくう)に載るかのような状態になりますので、こちらもまた支えが不要となります。さらには縦隔(じゅうかく)という、肺と肺の間を隔てている仕切りの膜によっても吊り下げられる形になるので、横隔膜の支えとなります。
セミナー内の講義と重なりますが、
・ドームが平らになる
・ドームを下げる
この間違ったイメージを捨て、3次元のイメージを持てるかどうかが、ブレスと発声を変えるキーワードとなります。