声帯を振動させる動きがしづらい時は、喉に力が入っているから?
- 自分で練習した後、声帯を振動させる動き(フライやバブルのような音)が、普段よりしにくい時がありました。
これは練習で喉に力が入っている証拠でしょうか?また、この状態の時に良いエクササイズはありますか? -
フライやバブルといったノイズ発声を行っている時は、随意筋を使いこなすことによって、本来は随意的に動かせない構造物(例:仮声帯や咽頭壁)も共に振動させています。
この点から考えますと、身体の構造の相対的な位置関係や動きやすさ、もしくは動きにくさを逆手にとったノイズ発声において、今回新しく取り組み始めたエクササイズの影響により、今までの身体の状態と異なった状態になったため、一時的に出しづらくなったと考えられます。つまり、練習で喉に力が入ったのではなく、エクササイズによって生まれた「あたらしい身体の状態」の使いこなしに、まだ馴染んでいないと考えることが出来ます。
ノドの関節や筋肉を、生き物としての身体のつくりの通りに使えた時、驚くほど素直に思い通りの声をつくることができます。本番直前に「身体の選択肢」を急激に増やすことは、結果的にパフォーマンスを狭めることになりますが、その一方で、普段の練習の時には、様々なエクササイズに取り組んで頂き、「身体の選択肢」を増やし、理想の声の表現を手に入れやすくしてくださいませ。