
打鍵した瞬間に、前の指を素早く元の高さに引き上げる訓練について
- 以前あるメソッドで、「指を手の甲と同じ高さに保った状態から素早く打鍵し(例:2の指)、次の音(3の指)を弾いた瞬間に、前の2の指を再び甲の高さまで戻す」というトレーニングを徹底して行いました。その結果、ショパンのエチュードなどの速いパッセージが格段に弾きやすくなったという実感があります。
この「打鍵した瞬間に、前の指を素早く元の高さに引き上げる」という動きは、解剖学的には離鍵に関わる筋肉(総指伸筋や、前腕・肘の外側につながる伸筋群)を鍛え、コントロール性を高める訓練だったと解釈してよろしいでしょうか? -
お気付きの通り、離鍵に関わる筋肉を瞬間的に収縮させる事で、離鍵を素早く行わせることで速いパッセージが弾きやすくなるとはいえます。
ただし、この場合の「鍛える」とは、離鍵に関わる筋肉の”出力”を上げることではありません。この場合の「鍛える」は、
① 神経と筋肉の反応速度を「鍛える」
② 脳からの信号のタイミングを「鍛える」
③ 神経に伝わる情報量を適切なものに「鍛える」
と分けて考え直すことが必要です。神経からきた電気信号に対して、筋肉が適切に反応して収縮できるか、どれだけの神経を動員するのか、その神経の電気信号に対してどれだけの筋肉を収縮させるのか、といったような事を「鍛える」ことになります。これは反復して練習することが大切であり、また同時に「今の演奏結果は想定通りだったか?」を、脳にフィードバックさせることが大切です。その繰り返しにより、脳は必要最小限の命令しか出さないようになり、余分な力みが減り、適切かつ鋭い反応=関節運動を生み出すことが出来ます。









