
「華奢で手のひらが薄い」手のタイプの身体の使い方
- 私の手は「指が非常に細くて長く、手のひらは薄くて小さい」という特徴を持っています。そのため、ショパンのノクターンのような、単音で深々とメロディを歌い上げる表現に苦手意識があり、弾くときに力んで筋肉が固くなってしまう悪循環を感じています。
このような「華奢で手のひらが薄い」タイプの骨格であっても、無理に固くならず、深みのある豊かな音を響かせるための、身体の使い方(あるいはタッチのコツ)はありますでしょうか?重みをのせて、とよく言いますが、本当に重みは必要なのか、とも思います。
また、「手が薄いから響かないのではないか」という苦手意識(マインド)を書き換えるためのアドバイスもあれば、ぜひ教えていただきたいです。 -
御存知の通り、ピアノは打弦楽器です。複雑なハンマーアクションによって、硬く締まったフェルトが弦を振動させます。そのハンマーアクションの速度によって強弱が決まりますし、譜面上の次の音を奏でるためのハンマーアクションの速度によって、弦と弦どの共振が生じ、ピアノ筐体の共鳴が生じ、音色の違いが生まれます。子供の演奏が平らに聞こえるのは、そのハンマーアクションが全て同じ速さで動いているからです。
さて、ハンマーアクションは、鍵盤を「下に押し付ける力(=トルク)」で決まるのでしたでしょうか?違いますよね。速度です。確かに押し付ける力で音色が変わるのであれば、筋肉がある事に越したことはないと言えます。しかしキーワードは速度です。速度を決定づけるのは「筋肉の収縮速度」であり、かつ「関節の回転の動きを邪魔しない」点が重要になります。
この点から考えますと、たとえ華奢に見える筋肉でも、「収縮速度」が「適切」であれば、ハンマーアクションの速度を思い通りに変化させられますし、「関節の回転の動きを邪魔しない」、つまり数多くの関節を同時に動かせるようにしておけば、たとえ華奢な手でも演奏することが可能です。
筋肉だけで演奏はできません。関節も、姿勢も、重さも、何なら想像力、音楽性、経験 etc.様々な要素が今の演奏に現れています。つまり、華奢な腕は身体の特徴であって、演奏の特徴にはならないかと存じます。






