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2026年8月・11月東京開催声楽マスタ―クラス

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子供の安定したペダリングのために

小さな生徒たちは、ペダルに足が届かないためにも補助ペダルを使いますが、踏み込む力がないことから、かかとが上がりやすくなります。安定したペダルにするにはどうしたら良い?

① ペダルによる抵抗に対して足部が固定できない

成人では、踵を床につけたまま、足関節を支点として前足部のみを動かします。

しかし小児では、

・下腿三頭筋(腓腹筋(ひふくきん)+ヒラメ筋) → つま先を下に押し付ける働き

・前脛骨筋(ぜんけいこつきん) → つま先を上に反らせる働き

・足部内在筋(そくぶないざいきん) → 指を曲げたまま固定する働き

といった、それぞれの筋肉の働きを”協調的に制御する”能力がまだ十分に成熟していません。

そのため、ペダル抵抗が大きいと、「足首だけを動かす」のではなく、「脚全体を持ち上げて体重をかける」という”戦略”を選択しやすくなります。その結果として踵が浮きます。

② 支持基底面が狭い

子どもは当然のことながら身体のサイズが小さく、腕も短いため、大人サイズのピアノを弾くためには椅子を前方へ寄せる必要があります。

その姿勢で演奏すると、

・坐骨

・みぎ足とひだり足

による支持基底面(しじきていめん)、つまり体重を自在にコントロールできる範囲が狭くなります。支持基底面が狭い状態では、上半身をはじめとして演奏中の全身は不安定になります。不安定な状態でペダルを踏むと、身体は重心を保つために踵を浮かせ、脚全体を使って押し込もうとします。これは姿勢制御としては、ある意味仕方のないことですが、合理的な代償とも言えます。

③ 椅子が高すぎる

座面が高いと → 股関節屈曲角度が小さくなり → 大腿骨が下方へ傾きます。

すると足部へ十分な荷重が伝わらず、ペダルを踏むために

・骨盤の強い前傾や、場合によってはスツール上での坐骨の前方への滑り出し

・体幹の前への傾き(=鍵盤方向に倒れる)

・踵の挙上

が生じてしまいます。目安としては、大腿がほぼ水平か、あるいはやや膝が下がる程度の高さが望ましいといえます。

④ 補助ペダルの抵抗が大きすぎる

市販の補助ペダルの中には、

・可動部の摩擦が大きい

・スプリングが強い

・ストロークが深い

ものがあります。成人なら問題ない抵抗でも、小児ではかなり重く感じます。

まず、「その補助ペダルは本当に軽く動くか」を教師自身が確認することが重要です。

場合によっては、補助ペダルを変更するだけで改善することもあります。

⑤ 小児特有の運動発達

6〜8歳頃までは、遠位部(足関節)の微細な「分離運動」よりも、近位部(股関節・体幹)を中心とした「粗大運動」が優位です。

したがって「足首だけでペダルを操作する」という成人型の運動パターンそのものが、まだ十分に獲得されていない場合があります。その点からも、発達学的には自然な現象とも言えます。

===== 指導現場で試したいこと =====

① 椅子の高さを再確認する

・股関節と膝関節が約90〜100°
・大腿が水平に近い

を目安にする。

② 足台を十分広くする

ペダルを踏まない側の足もしっかり支持できるようにする。特に左足の支持性は重要です。

③ ペダルを「押す」のではなく「体重を預ける」

「つま先で踏み込む」よりも「脚の重さをペダルに乗せる」イメージを使う。

④ ペダルなしで足首の分離運動を遊びとして行う

・踵をつけたままつま先を上下する
・床を軽くタッピングする

など、足関節だけを動かす経験させると早く改善する可能性があります。

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