
人差し指の離鍵を克服するエクササイズはありますか?
- 両手共に2の指(人差し指)の離鍵が苦手です。
何かエクササイズがありましたら、ご紹介をお願い致します。 -
2の指を離鍵させる専用の筋肉である「示指伸筋(じししんきん)」は、1の指以外の全てを離鍵させる「総指伸筋(そうししんきん)」と一緒に働きます。
ピアニストの場合、長時間の指を曲げる動き(=鍵盤を押し下げる)の動作により、指を曲げる筋肉が短くなり続けたり緊張し続けたりするため、離鍵を行う指を伸ばす筋肉が頑張りにくい状態になっている事が多くあります。
さらに、指の付け根(=手のひら)の関節を曲げる筋肉である「虫様筋(ちゅうようきん)」や、指の付け根(=手の甲)の関節を反らせる筋肉である「背側骨間筋(はいそくこっかんきん)」と、うまく力の加減を合わせられない時にも、離鍵の「抜け」の悪さに影響を与えます。
また、2の指は1の指と共同的な仕事をする(例:物をつまむ動作)事が多いため、1の指を曲げる筋肉である「長母指屈筋(ちょうぼしくっきん)」や「短母指屈筋(たんぼしくっきん)」と一緒に働くパターンが固定化してしまい、2の指単独の動きが難しくなっていることも少なくありません。
● 次の動きを確認してみましょう。
- 前腕回外位(=手のひらが天井)で手首を反らせられるか
→ 滑らかに反らせられる事が大切
- 2の指だけを他の指から分離して伸展できるか
→ 3の指がついてこない事が大切
- 手首が真っ直ぐの状態と曲げた状態での2の指を伸ばす力が同じか
→ 理想は伸ばしやすさが変わらない状態
● エクササイズ例
① 伸筋の個別化エクササイズ
全ての指をテーブルの天面に付けて、2の指だけを指の付け根から持ち上げる。「総指伸筋(=2の指から5の指の全てを持ち上げる筋肉)」ではなく、「示指伸筋(=2の指だけを持ち上げる筋肉)」を研ぎ澄ませて使う感覚を学習します。
② 腱固定効果を利用した伸展エクササイズ
手首を反らせると指を反らせる筋肉の腱はゆるみ、手首を曲げると腱は伸ばされます。この自然の振る舞い(=腱固定効果(tenodesis effect))を利用し、手首を曲げた状態で2の指を反らせる練習をすると、「示指伸筋」が働きやすくなります。
③ 鍵盤上での「離鍵スピード」分離練習
ゆっくり鍵を押し、極めて意識的に2の指のみを離鍵させる練習。屈曲から伸展への切り替えを神経筋的に再学習させる狙いです。メトロノームで遅いテンポから。
④ 虫様筋・骨間筋の協調トレーニング
指の間の関節(第1,2関節)を伸ばしたまま、指の付け根の関節(手のひら)を曲げます。指をピンと伸ばして「おいで」をする感じです。離鍵時の指の「跳ね上がり」をコントロールする筋群(虫様筋(ちゅうようきん)および掌側骨間筋(しょうそくこっかんきん))を意識して使います。
⑤ 前腕伸筋群のストレッチ
手首を曲げた状態で手のひらを床の方に向け、前腕の張りをゆったり感じます。演奏前後のルーティンとしてお取り組みください。






