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指をたくさん動かして弾く時、腕の筋肉に負荷がかかる?

Arm Lineの終わりでご説明されていた実例に関して詳しく知りたいです。
fが出せないのは、前側の筋肉にエラーが出ているという認識で合っておりますでしょうか。
例えば、指をたくさん動かして弾くとき、指を曲げる筋肉を使いすぎてしまうと腕の筋肉に負荷がかかりますか?
また、トリルや連打の時に腕が疲れたり痛くなってしまう場合も同じような現象が起きているのでしょうか?

ピアニストのフィンガリングにおいてArm Lineを活用する際に、まずスタートラインとなりますのが「指を動かすための筋肉のグループ分け」の理解です。

  1. 指紋がある部分(=末節骨)を動かす筋肉
  2. 指紋の一つ手首側の部分(=中節骨)を動かす筋肉
  3. さらに手首側の部分(=基節骨)を動かす筋肉
  4. 手のひらの張りをつくる筋肉
  5. 小指と親指 それぞれを独立して動かせる筋肉
  6. 手首を動かす筋肉
    (7. 肘を/肩を/肩甲骨を…動かす筋肉→ Arm Line全体へ)

さて、ご質問の「指をたくさん動かして弾くとき」には、1.〜6.(7.以降)全ての筋肉を使いますので、「指を曲げる筋肉(だけ)を使いすぎてしまう」ということは起こりにくいと考えられます。しかしながら、

① 目的の表現(=音)を奏でるために必要な、
② 鍵盤を落とし込む「速度」と「力(=トルク)」 を達成するのに要求される
③ 1.-6.(7.以降)の指の力

以上に筋肉が力を発揮してしまうと、それは無駄な力となり、ご質問にある「筋肉を使いすぎてしまう」という結果となります。すなわちこれは徒労ですので、「負荷がかかる」という事になります。
例えばお客様がいらっしゃる和室に【お茶をお出しする】時、障子を力任せに「バーン」とは開けませんよね(笑)。それと同じで、【音を奏でる】という目的を達成するためには、「適切な力で」鍵盤を弾くことが必要です。
ただし、この「適切な力で」と申しますのは、よくある「脱力やリラックス、指を長くしなやかに使って」といった曖昧なものではありません。しかしながら、「(演奏に)適切な力」を解説申し上げようと致しますと、生理学(せいりがく)といった分野が必要となってしまい、とても難しくなってしまいますので、今回は割愛いたします。

以上のことを前提とした時、トリルや連打の時に腕が疲れたり痛くなったりしてしまうのは、それらの(音楽)表現ができる動きを生み出す「必要最小限の力以上の力」が、1.-6.のどこかで発揮されてしまっていると言えます。

さて、ここで気になってまいりますのが、「では1.-6.の筋肉とは何か」だと拝察申し上げますが、こちらの内容につきましては第9回で1時間しっかりと学びましょう。

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