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演奏時に起こる腰のエラーへの対処法

50代のピアノの先生もされている私の生徒さんのことです。
普通に立っているときは、両肩の高さも差がなく(どちらが下がっているとかでもなく)足も、内股でもなく比較的まっすぐです。ピアノの前に座ると、右肩が上がり(本人は左肩と同じ高さだと思っています)10分くらい弾いていると、左側の腰が痛くなるようです。
私のアドバイスとしては、両肩の高さを同じにするように、上半身のどこかに力みがないか、探ってお声掛けをしていますが、見た目で肩の高さを同じにすると、逆に違和感があると言っています。
この場合は、上半身の問題ではないのでしょうか?座骨で座ることも昨日試みましたが、腰の痛みは出ました。下半身の問題なのでしょうか?
何かアドバイスいただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いたします。

まずはこちらをお試しくださいませ。
①ピアノ椅子におかけになられた状態で、
②ひだり手をひだり腰に当てて、
③みぎ手を斜め上に勢いよく挙げてみてください。
みぎ手を動かしているにも関わらず、ひだり腰の筋肉が非常に働いていることがお感じになられたのではないでしょうか。
この働きは至極当然のことです。体重の6%もある、お米袋(小)よりも重いみぎ腕を動かすのですから、強力な 「動きの土台」 が必要なのです。
おそらくこちらの生徒さまも、みぎ手で演奏するために、無意識のうちに準備としてひだり腰に土台をつくることが習慣になっているのではないかと思います。
これはもちろん、良い-悪いの世界ではなく、そのような習慣で今まで弾いてこられたという事実に過ぎません。

さて、まずはどこが痛むのかを、ご自身で正確に知ることが大切です。
・腰方形筋(ようほうけいきん):前傾姿勢で弾く習慣がある
・腰腸肋筋(ようちょうろくきん):息を止めて弾く習慣がある
・多裂筋(たれつきん):背すじをピンと伸ばす意識が強すぎる
・腹斜筋(ふくしゃきん):気がつくと鍵盤に対して上半身が斜めにひねっている
・大殿筋(だいでんきん):疲れてくると猫背気味になる
・広背筋(こうはいきん):普段はひだり足を上にして足を組んで座ることが多い
・最長筋(さいちょうきん):朝起きた時も同じ様に腰が痛い

これらの症状と一致している筋肉があれば、おそらくその筋肉が傷んでいるものと思われます。であるとすれば、それらの姿勢の習慣や身体の使い方のクセを改善すれば、ピアノを弾いた後の痛みは軽減するかもしれません。

さて、これらに該当するものがないとすれば、股関節の可能性が高くなります。
ひだりの腰が痛む場合は、ひだりの股関節にエラーがある場合と、みぎの股関節のエラーを庇って痛む場合に分かれます。
ひだり股関節にエラーがある場合、例えば昔に転倒した時にひだり足を打ったご経験をお持ちだとか、もともと股関節の骨格に問題が隠れているといった事もございます。また、みぎ股関節のエラーを庇っている場合も同様に考えることが出来ます。

つきましては、小さなことでも良いのです。下半身の怪我はなかったか、スポーツで同じフォームを長期間練習したことは無かったか、先天性股関節脱臼の傾向は無かったか、歩く時の足の音のリズムがみぎ-ひだり平均に聞こえるか 等の気付きから、下半身のエラーを想定することが出来ます。
そして、疑える過去のエラーを思い出された場合、そのエラーに対してエクササイズでの対応が可能となります。
もしよろしければ経過をお知らせ下さいませ。

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