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和音(三和音以上)の連打時の効率的な筋肉の使い方について

和音(三和音以上)の連打の時の効率的な筋肉の使い方 ゆっくりで力強さを求められるものと、スピードと軽さを求められるものの違いについて教えていただきたいです。

鍵盤を落とすために必要な主な筋肉は

  1. 指を曲げる筋肉(深指屈筋・浅指屈筋)
  2. 指の付け根を曲げる筋肉(虫様筋・掌側骨間筋・背側骨間筋)
  3. 手のひらの形を保つ筋肉(長掌筋・短掌筋・母指内転筋・小指対立筋)
  4. 手首を曲げる筋肉(撓側手根屈筋・尺側手根屈筋・方形回内筋)
  5. 肘を伸ばす筋肉(上腕三頭筋・肘筋)
  6. 肘を安定させる筋肉(三角筋-僧帽筋・烏口腕筋・回旋筋腱板)

鍵盤から離すために必要な筋肉は

  1. 曲げた指の形を保つ筋肉(総指伸筋・示指伸筋・小指伸筋)
  2. 手の甲の形を保つ筋肉(背側骨間筋)
  3. 手首を反らせた形を保つ筋肉(長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋・尺側手根伸筋)
  4. 肘を曲げる筋肉(腕撓骨筋・上腕二頭筋・上腕筋)
  5. 肩甲骨を安定させる筋肉(菱形筋-前鋸筋・肩甲挙筋)

これら全ての筋肉が、”しかるべきタイミング”で”連動しつつ”、”ON-OFFを正確に繰り返す”ことで、連打が可能となります。

そのためには、これらの筋肉ひとつひとつの
・筋腹(きんぷく:筋肉の線維が最も集まっている場所)の場所を知り、筋腹を力ませないことを意識する
・筋肉がどこからどこまであるのかを知り、それが動いた結果、関節がどの様に動くのかを意識する
といった練習を繰り返すことにより、次第に速くすることが出来るようになります。

つまり、解剖学の観点から申しますと、いわゆる「連打を速くする”コツ”」は申し上げることはできません。いわゆる”速弾きのコツ”や”連打のテクニック”は、各種メソッドやテクニークが、様々な視点から言及しています。
その一方で、解剖学から申し上げられることは、「連打が速く出来ない理由」を考えましょうという点です。
まず、上述した筋肉群において「”必要以上の力み”によって”速く動けない”状態に陥っている」から連打が行いにくいといえます。これを解決するには、力んでいる(硬くなっている)筋肉を探し出し、硬くなっている場所を頑張らないように意識することは大切です。力んでいる筋肉を探し出すためには、筋肉の正確な場所を学ぶことが必要になります。

次に、上述した筋肉群が「素早くON-OFFが出来ない”未習熟”の状態だから」といえます。これを解決するには、脳の命令といった神経も関わってきますので、未習熟の筋肉の位置を意識しながら、メトロノームを使って地道にテンポを上げていくこととなります。
これらの考え方が、結果的に「連打を速くするコツ」と言えるかもしれません。
「腕をしなやかに」「腕を長く感じて」「脱力してリラックスして」といった声掛けは、一時的には効果を発揮するかもしれませんが、再現性は低いものです。
その一方で、筋肉は一生変わることがありませんので、筋肉の図とにらめっこしながら練習する時間を一度は持つことで、一生モノの「連打を速くするコツ」が見つかるかも知れませんね。
また、先生と生徒で筋肉の数や構造が違うこともありません。筋肉の(簡単な)図を生徒に見せてあげて、ご自身の感覚を一緒に教えてあげると、生徒さんも”具体的に” ”どこを” ”力を抜けば良いのか” が理解しやすくなるかもしれませんね。
たくさんの筋肉を列挙いたしましたので、学びが大変かもしれません。前述の筋肉を、1週間に1つずつ確認をしながら弾いてみてください。「これだ!」と気になる筋肉が見つかることでしょう。

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