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16世紀ローマのファルネーゼ家―コレクションの起源とその遺産

目次

概要

「16世紀ローマのファルネーゼ家―コレクションの起源とその遺産」展について
この美術展は、ファルネーゼ家が築いた膨大な芸術遺産の一部を紹介するものであり、ナポリをはじめとする国内外の主要な美術館・博物館の協力によって実現した。特に、ナポリ国立考古学博物館、カポディモンテ美術館、ヴィットリオ・エマヌエーレ3世国立図書館が多くの作品を提供しているほか、ローマ、フィレンツェ、パルマ、バチカンに加え、ルーヴル美術館、イギリス王室コレクション、モルガン・ライブラリーなどの海外機関も参加している。

ファルネーゼ・コレクションの歴史
ファルネーゼ・コレクションは、1534年に教皇パウルス3世として即位したアレッサンドロ・ファルネーゼによって収集が始まり、その後、甥の枢機卿アレッサンドロとオドアルドによってさらに拡充された。彫刻や絵画、古代の宝飾品、貴重な写本などを含むこのコレクションは、ファルネーゼ家の権威を示す象徴となり、ローマの芸術文化の発展にも大きく貢献した。

16世紀ローマの都市改革とファルネーゼ家
コレクションの発展は、1527年に起きた「ローマ劫掠(Sacco di Roma )」後の都市改革と密接に関連している。パウルス3世は、荒廃したローマの再建を進め、ミケランジェロにカンピドリオ広場の再設計を依頼した。1538年には、象徴的なマルクス・アウレリウス騎馬像をラテラノ広場から移設し、新たな都市景観を生み出した。

また、ファルネーゼ家は、古代ローマの遺産に強い関心を持ち、発掘によって得た「ファルネーゼのヘラクレス」「ファルネーゼの牡牛」などの彫刻を自身の宮殿に収蔵した。これにより、ファルネーゼ宮殿は単なる邸宅を超え、博物館のような役割を果たすようになった。当時すでに、宮殿はその建築の壮麗さとともに、貴族や聖職者にとって重要な社交の場とされ、ローマ観光の名所の一つとして広く知られるようになった。

コレクション発展のキーパーソン:フルヴィオ・オルシーニ
ファルネーゼ・コレクションの発展には、人文学者であり古物研究家でもあったフルヴィオ・オルシーニの存在が欠かせない。彼は、コレクションの管理、研究、整理を担い、その体系化に尽力したことから「コレクションの頭脳」とも称された。また、宮殿の装飾計画にも関与し、芸術的価値の向上に大きく貢献した。

美術展の写真

開催日程と場所

2025年2月12日から5月18日
ローマ Musei Capitolini, Villa Caffarelli

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