声の振動は、高い時と低い時に違いがありますか?
- 声の振動は、高い声の時と低い声の時に違いがありますか?
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声の振動を声門(せいもん)の振動と読み替えた上でご回答申し上げます。
高い声の時と低い声の時には、声門においては、その振る舞いにおいて大きな違いが生じ、その違いこそが音程の違いとして現れます。
声門は、声帯筋(せいたいきん)と、それを背中側で支える披裂軟骨(ひれつなんこつ)でつくられます。
高い声の時には、声帯筋は強く働いて「短くなり・薄くさせられて・硬くなる」という状態になります。その一方、低い声の時には「さほど短くはならず、厚みを保ち、さほど硬くはならない」という状態になります。そして、これらの振る舞いの違いを手伝うのが披裂軟骨です。
我々は、赤ちゃんの頃から様々な声を出してみて、「おっぱいが欲しい」「一緒に遊びたい」といった自分の欲求を伝えようとします。
様々な声を出してみる挑戦の中から、自分の欲求に対する適切な反応を得られた声を覚え始めます。そのようなトライアンドエラーを数年繰り返して、ノドの使い方を覚えてゆきます。その使い方のさらなる高度な使い方が、身体の動きの数千通りの組み合わせの結果から作り出される音程なのです。
声の振動は、かように複雑な過程と学習と経験から作り出されるのです。