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肩甲骨の動かし方はピアニストも同じですか?

肩甲骨の動かし方はピアニストも同じですか?
肩甲骨を寄せるために広背筋が短くなり、そのために腕はいったん手のひらを外側にみせる状態になる、イコールこれは骨格標本のとおりの位置と以前聞いたことがあります。
この状態だけでは広背筋を短く固めてしまうから、両手をみぞおちあたりで軽く合わせる、ということでしたが、この広背筋を短く固めないための姿勢は、日本でよく言われるフレーズ、脇の下にたまごひとつをつぶさないようにあけて保つ、と同じと考えてよろしいでしょうか。

肩の動きを理解することは、ピアノを演奏する上においても大変大切です。
こちらのご質問に関しましては、以下の3つの動きを理解することが必要となります。

1:腕の付け根をひねること
2:腕の付け根から腕全体を後ろに動かすこと
3:脇の下を開くこと

まず、「1:腕の付け根をひねること」ですが、この動きは”外旋(がいせん)”という動きです。小さく前にならえをした状態から、脇の下を開かずに、手の甲を外側に動かす動きです。関西の漫才の「なんでやねん」ってツッコミの動きですね。

次に、「2:腕の付け根から腕全体を後ろに動かすこと」ですが、この動きは”伸展(しんてん)”という動きです。小さく前にならえをした状態から、脇の下を開かずに、肘を後ろに突き出す動きですね。おニューのショルダーバッグを肩にかけて、手をバッグの底にかけて颯爽と腕を振って歩いている動きですね。
この1と2の動きを「同時に」できるのが広背筋です。

さて、「3:脇の下を開くこと」ですが、この動きは”外転(がいてん)”という動きです。
小さく前にならえをした状態から、脇の下を開き”つつ”、肘を前に出したり後ろに出したりと、結構マルチに働きます。この動きができる筋肉は三角筋(さんかくきん)であり、広背筋とは別の筋肉が担当します。

では、ピアノを弾いているときには、1と2の力も必要ではあるのですが、やはり3の力が必要です。C4とC8の鍵盤を落とすときには、上半身(=腕の付け根)と鍵盤の「物理的な距離」が全く違うためです。
この点から、広背筋で腕全体を後ろに引きつけておく力=2の意識よりも、三角筋で腕全体を前後に動かせるようにしておく力=3の意識が大切となります。
この点から「脇の下にたまごひとつをつぶさないようにあけて保つ」というイメージは使えるかと存じます。

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