出産後の骨盤広がりは股関節の回転?
- 「骨盤は動かない」というお話でしたが、よく「出産すると骨盤が広がる」と聞きますが、この場合は、実際は骨盤が広がるのではなく股関節が外巻きに回転する、という事でしょうか?
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出産を控えた母体の骨盤は広がります。
その理由は、
・骨盤の前側を閉じる左右の恥骨(ちこつ)の間の軟骨がやわらかくなる
・左右の恥骨を留めている靱帯がやわらかくなる
・背骨の土台の骨である仙骨(せんこつ)と腰の骨(ちょうこつ)を留めている靱帯がやわらかくなる
といった状態に身体が変化したところに、お腹の重さがかかってくるためです。
これらのことから、妊娠中の母体の骨盤は大きく変化します。
ただし、出産後は速やかに骨盤の変化は元の状態に戻ってまいります。この時の戻りをより速やかに効率良く行わせるために、各種の運動方法等が、出産後の母親に指導されます。
もちろん、胎児や羊水等の重さにより、重心が前に移動した姿勢で過ごす時間が多くなるために、股関節の使い方も大きく変化します。
この場合、骨盤は前-下に押しこまれる傾向となり、骨盤は前傾(ぜんけい)します。そのままですと骨盤の前傾により、上半身が前に倒れてしまうため、股関節では外巻きに回転させる力を常に発生させ、後傾に戻そうとします。この点から申しますと、股関節には常に力がかかっているといえます。