口の開け方が喉の筋肉や声帯に影響を与えますか?
- 口の開け方は、声を出す時に使う喉の筋肉や声帯に影響を与えますでしょうか?
第九のソプラノパートの高いラを伸ばすところが上手くいかず困っていますが、口を縦に開けることを意識したら、高いラが伸ばせるようになりました。
ドイツ語の歌を歌う時、指導者の方から、発音の面で口を縦に開けて歌うように、と良く言われます。
私は意識しないと、日本語の発音は口を横に開いたままで発音するため、横開きで歌ってしまっていました。そうすると、発音もいまいちだし、高いラは、声帯が疲れるせいなのか、へたってどんどん続けて出せなくなっていきました。
昨日、たまたま縦に口を開けることを意識して歌ったら、何故か高いラが伸ばせるようになったので、口を開ける筋肉と、喉周辺の筋肉の使い方は何か関連していることがあるのだろうか?と思った次第です。 -
口を縦に開けることは、すなわち下顎骨(かがくこつ)を引き下ろした結果です。
ところが、下顎骨を引き下ろす”専用”の筋肉は人体にはありません。
それでは、なぜ我々が口を開けることができるかと考えますと、・舌骨上筋群(ぜっこつじょうきんぐん)で引き下ろしている
・広頸筋(こうけいきん)で引き下ろしている
・噛む筋肉の力を抜いているこれらの条件をうまく揃えている結果といえます。
さて、この中で最も効率がよいのが、舌骨上筋群による引き下ろしですので、こちらを細かくみてまいりましょう。
① 舌骨上筋群は、下アゴの骨と舌骨をつないでいる筋肉です。
② その舌骨は、喉頭を吊り下げています。
③ その喉頭の中に声帯が張っています。
④ 高い声を出す時には、声帯の強い張りが必要です。
⑤ ④のためには、足場となる③喉頭の骨が安定していることがとても大切です。この考え方に沿いますと、
⑥ ⑤喉頭の安定には①舌骨上筋群の力が必要です。
⑦ ①舌骨上筋群は下アゴを引き下げる作用も持ちます。ということは、
⑧ 口を縦に開けるために⑦舌骨上筋群を使い、
⑨ その舌骨上筋群が喉頭の安定を促し、
⑩ 高音発声のための声帯筋の足場を準備したと考えることができます。