高音を出すときに関する質問
- 高音を出すときに関する質問です。
短く、薄く、硬く使うことが高音を出す為に必要な使い方というのは理解しているのですが、外側輪状披裂筋と後輪状披裂筋の相反する働きの筋肉を具体的にはどのように使うと理想的に短く、薄く、硬く使うことができ、美しい高音を作る事ができるのか、教えて頂きたいです。
あと、薄くというのが、伸ばす。という事とイコールと伸ばすと長くなる。と思ってしまうのですが、その辺をどう理解したらよいのかお答えいただけますでしょうか。宜しくお願い致します。 -
外側輪状披裂筋と後輪状披裂筋は、声門の開き具合と声帯の長さの2点において、全く逆の作用を及ぼす面白い組み合わせですよね。
しかしながらその一方で、意識してどちらかの筋肉のみを選択的に使うといったものではなく、あくまで発声の “無意識の一連の行動” の中で、自動的に調整されるものです。
筋肉の図を見てしまうと、どうしても個別に動かしたくなりますが、喉頭の筋肉はとても小さなものですので、選択的に動かすことは困難ですし、選択的に正確に動かせたかどうかも確認ができません。
それでは結果的に使えないのかというとそうではなく、「声」として思い通りの表現ができているかどうかで、これらの筋肉がうまく使えたかどうかが判断されます。我々は上手な筋肉の使い方を学んでいるのではなく、いかに思い通りの表現をできるかを学んでいるはずですよね。
これらのことからも、ノドを締めて高音を得るのではなく、声帯筋の前側の足場である甲状軟骨をいかに動ける状態に保った状態で高音を得られるかどうかが大切となります。甲状軟骨が動きにくくなると、喉頭の内側の筋肉が頑張らざるを得なくなり、結果的に詰まった声となります。
さて、声帯筋の筋肉は柔らかく、伸ばされると”長さ”は長くなります。その一方で”厚さ”は薄くなります。焼きたてのお餅をご想像なさってみてください。お餅を伸ばしている両手が甲状軟骨および披裂軟骨、お餅が声帯筋です。