これまで私は、ただ漠然とオペラの本場であるイタリアに留学して、現地の方に直接歌を教わりたいと思っていたのですが、現地の先生へのつてもなく具体的に計画を進めることはできずにいました。とりあえずインターネットでマスタークラスの情報を探していた時に、Le Museのサイトに辿り着き、ダメ元で今回のマスタークラスに申込みました。音源審査に合格したとメールが来てから、しばらくは実感が湧かなかったですが、行く直前には自分の中で発声の仕方が迷走していたこともあり、不安でいっぱいでした.。

バーリに着いてからは、さとこさんにサポートしていただき、安心してマスタークラス初日を迎えることができました。そしていよいよデヴィーア先生のレッスンが始まりました。受講生は日本人が5人、イタリアやスペイン人等が7人の計12人でした。外国の方のレッスンを間近で聴くのは初めてで、声の迫力や体格の大きさ、発音の違いに圧倒されました。ただ、一番衝撃を受けたのは、やはりデヴィーア先生の声でした。先生は、レッスン中に見本として何回も歌ってくれるのですが、その声が聴いたこともないような響きなのです。日本公演の「ノルマ」で先生の声は聴いていたのですが、間近で聴く先生の声は異次元の響きでした。喉に全く負担がかかっておらず、頭全体が瓢箪のような空間を持っているかのようで、今までCDやYouTubeで聴いていたよりもさらに美しい声で、感動して泣きそうになる程でした。

私のレッスンでは、日本では指摘されなかったようなイタリア語の発音や抑揚、高音の出し方や口の形等を教えていただきました。今まで高音は比較的得意だと思っていたのですが、なかなか先生のような丸く充実した音が出せず4日間苦労しました。また、先生はマスタークラスを通して、レガートをするようにと仰ることが多かったです。レガートをするためには息の支えも重要ですが、日本人である私にはイタリア語の発音、言葉の抑揚が課題としてあり、言語の勉強の大切さをより実感しました。普段のレッスンではさとこさんが通訳してくださいましたが、会話に時差ができ、自分の意思を直接伝えられないのがもどかしい場面もありました。

ただ、4日間四六時中歌のことだけを考える時間は、新たな発見がいくつもありとても有意義で、このマスタークラスに参加できたことは私が声楽をやってきた中で一番のターニングポイントになりました。マスタークラスを終えて、これから留学したい気持ちが高まりましたし、具体的に何をしたらいいかも分かってきて、この機会を作ってくださったさとこさん、イタリアに行かせてくれた両親には本当に感謝しています。ありがとうございました。

亜香音さん、勇気をもってマスタークラスへ参加していただきありがとうございました。
レッスン中、聴講中、周囲の様子をじっと観察している亜香音さんの様子がとても印象に残っています。
確かに、今回は直接言葉で通じ合うことはできなかったかもしれませんが、デヴィーア先生が意図する『Intelligenza del canto 歌の知能』を亜香音さんさんは持っていると感じています。
これからも応援しています。
Ti vogliamo tanto bene

2019年デヴィーア先生マスタークラス終了
2020年東京声楽マスタークラス概要

 

0