グローバル・バロック~ベルニーニの時代のローマにおける世界~
概要
2025年、ローマは再び聖年を迎え、その祝祭ムードに包まれる中、クイリナーレ馬車博物館では、教皇の都・ローマがもっとも輝いた17世紀バロックの黄金時代を、これまでにない新たな視点から見つめ直す壮大な展覧会が開催されています。
「Barocco Globale グローバル・バロック」。
本展は、ジャン・ロレンツォ・ベルニーニをはじめとする芸術家たちが活躍した時代のローマが、実はかつてないほど“コスモポリタン”な都市だったという事実に光を当てています。
世界の縮図としてのローマ
ローマは、どんな異邦人でも我が家のように感じる唯一の場所である
1581年、哲学者モンテーニュの言葉は、この展覧会の核心を突いています。
17世紀のローマは、ただの宗教都市ではありませんでした。
アフリカからの使節、アジアの宣教師、アメリカ大陸の先住民、そしてヨーロッパ各地から集まった芸術家や学者たちが、この都市に集い、出会い、影響を与え合っていたのです。
芸術、宗教、外交、そして科学、
あらゆる分野が交錯するこの時代のローマは、まさに世界をつなぐグローバルな交差点でした。
展覧会の見どころ
異文化の接触を示す傑作たち
ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ、ピエトロ・ダ・コルトーナ、ニコラ・プッサンらの名作に加え、アフリカの外交使節アントニオ・マヌエル・ネ・ヴンダの胸像、日本や中国の宗教美術品、南米からもたらされた品々が展示されます。
9つのテーマでたどるグローバル都市ローマ
地図や外交贈答、宗教、科学、翻訳文学など、多様な観点からローマの“世界性”を描き出す構成。単なる美術展にとどまらず、「世界のなかのローマ」という知的冒険を体験できます。
なぜ今、この展覧会なのか?
2025年の聖年にふさわしく、今回の展覧会は、
「開かれたローマ」という都市の姿を、あらためて見つめ直す試みがあるのかもしれません。
宗教と政治、芸術と科学、ヨーロッパと非ヨーロッパ、
あらゆる要素が交わり、共存していたのが17世紀のローマでした。
「グローバル・バロック」は、
そんな時代のローマが築いた壮大な世界とのつながりを、
目で見て、心で感じながら体験できる貴重な機会となる展覧会だと思います。
写真でみる展覧会
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日程
- タイトル: Barocco globale – Il mondo a Roma nel secolo di Bernini
- 会期: 2025年4月4日~7月13日
- 会場: クイリナーレ馬車博物館(Scuderie del Quirinale)